いざ母子家庭を始めてみる、途端にいろんな災難が重なって襲ってきます。
自分は呪われているんじゃなかろうかと思うほど、途方にくれる出来事が起こるものです。
どんなにがんばっても空回りして、もうどうしようもなくなり、自分自身が危ないと思った時、私は自然の近くに行きます。
子供を連れて。
何も軽井沢とか北海道とか、そんなたいそうなところじゃなくてもいいんです。
例えばいつも通う通勤電車の反対方面にずんずん下って行くと、突然山が見えてきたりしますし、とにかく各駅停車でできるだけ遠いところに行ってみるんです。
そしてそこでのーんびりお散歩したりお茶を飲んだりします。出来るだけ、自然の動きを意識して、そこに身体を乗せるような感じで。
すると、山や川や海が、身体の中の乱れたリズムを戻してくれるんです。
もう八方ふさがりだ、もう限界…
そう思っていても、身体のリズムが戻ってくるとなぜか力が湧いてきます。
そして、不思議なことに新しいアイデアが浮かんだり、見えなかったことに気づいたりするんです。
時間がない時は、トンボ帰りしたこともありました。
それでも、各駅停車に揺られて普段見ない景色を見ているだけで気持ちが慰められます。
そもそも、私達も動物。
自然と共存している生き物の一種。
それなのに妙に知恵をつけた結果、自然と対峙するようになってしまいました。
本来は自然の一部なのに。
とはいえ、今からすぐ自然のなかで暮らすことはできませんが、自然の近くに行くことはできます。
自然を見ていると本当にいろんなことが学べます。
そして自分がなんて小さい存在なのもかわかります。その自分が悩んでいることなど、100年後は全てまるごと綺麗に消えていることもわかります。
消えていくものに言われたことやされたことなんかどうでもいいじゃないかと思えるようになります。
そして、私が一番大事なのはこの子達の笑顔なんだ!と改めて思い、元気になって帰っていくことができるのです。
うちの娘は離婚してからすぐ不登校になりました。
でも、自然の中にいるとそんなことどうでもいいじゃないかと思えるようになり、学校なんか行かなくても生きていける!と気にならなくなりました。そして、娘がいかに楽しくらせるかと、新しい学校や田舎の移住、劇団、スクールとあれこれ一緒に調べているうちに、娘は自分から保健室登校を始め、やがて普通に登校するようになりました。
娘にとって戻ることがいいことなのか悪いことなのかはわかりませんが、今は生意気な(笑)女子大生になり、青春を謳歌しているようなので、結果オーライなのかなと思っています。
都会にいると、人が集団を維持するために作った常識に縛られて、不必要に悩んだり苦しんだりしがちです。
もし、辛いことがあったら、自然の中で本来の価値観やリズムを取り戻してみませんか?
真摯に身を預ければ、きっと自然は乱れを浄化してくれますよ!