私の時代の母子家庭というと何となく周りからコソコソ囁かれたり腫れ物に触るようにされたりしがちでした。
だからそんなものに負けてたまるか!という気合いを自分で自分に入れ、1日も早く母子家庭手当をもらわなくて済む収入を目指して必死になっていました。
友達からは、
「何バカなこと言ってるの?私達は旦那がいないんだからもらえるものはありがたーくいただいてその上で生活しないと成り立たないでしょう?」と叱られたものですが、私の決意は揺るぎませんでした。
実は、あるお母さんの一言が心に刺さったからなんです。
そのお母さんは、ママ友の集まりの中で私が離婚したことを知らず
「母子家庭って本当に迷惑よねえ。勝手に結婚して勝手に離婚してさー、私達の税金もらって楽々暮らしてるなんて頭にきちゃう」
と言ったんです。
もちろん彼女に悪気は全く無く、私も自分が母子家庭にならなかったらうっかり持ってしまう感情だったのかもしれないので、責めるつもりはこれっぽっちも無いのですが、その時の私は雷に打たれたようにショックを受け、悔し涙をおさえるだけで必死になっていました。
私、そんなふうに見られてるんだ!
それだけで悲しくて悲しくてなりませんでした。
そして、子供たちもそんなふうに見られるとわかった時、とてつも無い悔しさがこみあげてきました。
がまんできない!
「おまえが離婚したから悪いんだ」、と言われてしまえば私は何も言えませんが、子供たちは何も悪いことをしていない。
だったら私が何とかする!
離婚しないで済むような旦那を探せなかったミスを絶対自分でフォローしてみせる!
と、思ったんです。
でもねえ…
このところいろんな人の相談に乗っていて思うんですけど、母子家庭になってしまう人ってどちらかというと頑張り屋で優しい人が多いんですよ。
ダメ男に同情して結婚してあげて、尽くして付け上がられて酷い目にあって離婚というケースの何と多いことか!
だから、本当は何もひけめを感じることなんかなかったのかもなあと最近少し思うんです。
結局、離婚しない人たちの持っている母子家庭のイメージが一人歩きしてるだけなのに、それに涙して歯を食いしばった私は、やはりイメージという罠にかかってやられてしまっていたのかなあ…なんて。
でも、まあこうして自分の力で子供たちを育て上げることができて、なんかとても清々しい気持ちではあります(笑)。
とにかく、人はイメージに支配されがち。
常にそれを意識しながら生きることが大事なんじゃないかと強く思うのです。